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みやこ 成人/神奈川への望郷の念が強い

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タグ「レゾ」を含む投稿2件]

ワンドロ:ケーキ #レゾ #ヒロアカ #鳥師弟

ワンドロ:ケーキ #レゾ #ヒロアカ #鳥師弟

「ケーキっておいしいよね。俺さ、大人になってから初めて食べたんだけど美味しすぎてびっくりしたよ」
 こうやって不遇だった子供時代をさらけだして特段憐れんだり気遣ったりしたりをせず、そうかとだけ言ってくれるこの後輩のことが不思議で仕方がない。
 情が薄いというわけではない。むしろ他人のために自分を捧げることができる英雄たりえる精神を持ったひとだ。
「この前の時任さん(ホークス事務所事務員)のお誕生会でチマチマケーキ食べてるなと思っていましたが、そういうことでしたか」
「食べたらなくなるし」
「そりゃ、そうだ」
「くだらなくて、涙が出そうになるくらい大切な時間だったよ。終わっちゃうのすごく寂しかったな〜……」
「感傷的ですね……またやればいいじゃないですか。誕生日は毎年来ますよ」
「ほんと、そうだよねぇ……誕生日を迎えられるように頑張ろうね」
「ホークスか頑張るんで、俺は高みの見物してます」
「ちょっと前までは俺が頑張るんでホークスは休んでてください!って張り切ってたのに」
「ホークスはただぼんやり休んでるより身体動かしてたほうが気がまぎれるタイプかなと思ってのことです。そうですよね?」
「そう。その通り。だから俺あんまり家に帰ってないんだよね。一人で休んでると考えが悪い方向にばっかりいっちゃって」
「だからカプセルホテルでの目撃情報がたくさんあるんですね」
「そう。他人のいびき聞こえる環境が一番ゆっくりできる」
「へー。よくわからないですね。あの生活感のなさ納得です」
「まあ使わないから、物置だよね」
「あの立地を物置に……」
「使いたかったら使ってもいいよ」
「ほんとですか? じゃあ今度みんなでシャトレーゼのケーキ全種類買って食べましょう」
「楽しそう。不二家のもやりたい。猫の形したやつとか」
「いいですね」
 あるかどうかもわからない未来の約束をするのは楽しい。そこまで頑張るかって思えるから。叶えられなくてもいい。そっちの方が楽しみだからくだらなくて何にも替えられない約束をする。ささやかな幸せを想像して眠りにつくのも楽しい。消化試合みたいに生きるより、ずっといい。

碇 #レゾ #ヒロアカ #鳥師弟

#レゾ #ヒロアカ #鳥師弟
「常闇くん……」
「なんです。そんな神妙な顔して」
「俺この前常闇くんとモスバーガー食べに行ったじゃん。あの時ね、オニポテリング一個くれたじゃん」
「そうだったかな。確か師が初めてモス来たわ〜などと言っていたので、オニポテを食べずにいるのはなと思い」
「それはさ、雪見だいふくの一個だったり、ピノの一個みたいなそういう……」
「ああ、まあでもそこまで食に執着がないから俺はそういうのはいいんです」
「えー、常闇くんの方が大人みたい」
「執着の先は人それぞれです」
「そっかあ……常闇くんは、何に執着してんの?」
「そうですね……職場環境ですかね。ホークスが想像している以上に異形個性は蔑まれるので、ホークスみたいに名前が売れてて、若い女性のファンが多いヒーローの下だと働きやすいんですよ」
「あー、そういう。なんかもっと俗物的な回答がもらえるかなって……」
「あなたにそんな顔させたくなかったから言わないでいたんですが」
「なんだ、隠してたんだ」
「まぁ、そうですね」
 ホークスのせいではないのに、そうやって俺のことを自分ごとのように傷ついてくれるあなたの顔が見たくてこの話をしたのかもしれない。
 たかだか五年程度早く生まれた程度で世界は変えられない。そんなことくらい俺ですらわかっているのに、ホークスは釈然としない顔をして俺に降りかかる悪意を嘆いてくれている。
「俺はそうやって傷つく常闇くんに何してあげられるかな」
「うーん……スマブラをしたり、温泉に行ったり、潮干狩りに行ったり、ポットのお湯が切れそうだったら補充したり、靴を揃えたり、事務所の鍵をちゃんとしめたり……」
「最後の方申し訳ないと思ってはいるけどできてないやつ出てきたな……俺さ、小さい頃からゲームっていうかテレビもなくてそういう経験? 子供の頃みんなやっているであろうことが本当にできてなくて……できればそういう子供時代を取り戻したいんだよね」
「隠し事なくてえらいじゃないですか。いいですよ。やりましょう。スマブラでも、アサガオの観察でもなんでも」
「わーい。楽しみだな」
「そしたら、元気にしてないとダメですからね」
「肝に銘じます」
 そういうことをちゃんと言葉にしないと、ホークスはフラフラとどこかに行ってしまいそうだから俺はホークスがここに居たくなりそうなことを並べ立てる。この人はどんなに親しい人であれ失う経験がありすぎて、執着が薄すぎるから自分の命すら軽んじるような言動が見受けられる。俺はそれを見るのがなんだか悲しくて、この人の速度を落とすようなことをしてしまう。
 それでも、執着しているものを分け与えるような信頼をされているのだと思うと、どこかに行ってしまう前に声くらいはかけてもらえるのかもしれないと自惚れてしまう。あんまり期待しないほうが良さそうだとは思うのだが。