はじめてのコスプレ撮影
2022年6月25日のアコスタ池袋に参加した日記です
いままでポートレートやぬいぐるみ、風景などを撮っていたんのですが、コスプレという人様そのもので表す二次創作に興味が湧き撮ってみたいと思い参加してみました
硬めの書き出しですけど感想は【マジやっべえぞやっべえぞ行ってみまじ楽しいから】で終わってしまうため頑張って書いてます
兼好法師も何事にも先達はいてほしいものであるってたけどマジでそれだけどアコスタカメラ参加者のやり方調べてもよくわからなかったので書き記しておくという意図もある
【事前準備】
買ったのはマルシェチケット(チケットは券種問わず2000円)
マルシェチケットでカメラ参加できることは主催さんに確認済みです
カメラバッテリー充電
※ありがたいことにフォロワーに撮らせてもらう機会をもらったんでど6時間パックが普通っぽいんだけど
メーカーは2時間程度、ひとのブログには1時間半ってたけどバッテリーって何本あればいいんだべ
【当日】
開始は10時
そんな準備することもないしゆっくり行こうと思い11:30池袋着
※マルシェチケットは12時入場であったため待つ
用意するのは身分証
何事も初めてのことって何かしらあるけどこのくらいで済んでよかった
フォロワーのお昼を差し入れして本日の任務完了
前日まで声をかけて撮らせてもらうことが怖すぎてチキっていたためフォロワーに差し入れ渡して帰るのも選択肢のうちにありました
【撮影環境】
明るめの屋内
屋外(日陰あり)
・明るめの屋内で、あまり設定をバリバリいじらなくても暗くなりすぎることはなかった
でも絞り優先AFに絞り+1くらいはいれました
・6月も末となるとかなり日差しが強く、建物と建物の間なのでかなりの強風
光が強く入りすぎることもあり…どうにかならないもんかな…精進します
・SDカードは小さいGBのカード複数がよい
これはその方が良かったなという気づきなんですが帰ってからスロットエラーとか起こしたら泣いちゃうため
スタジオとか海とかプールとか行きてえ〜の気持ちが高まった
こうした方が良かった
・パンツスタイル
軽い気持ちでワンピースで行ったんだけどまあ…アングルとかあるから屈むからパンツスタイルがよりよい
・リュックがいい
自分の荷物世界一邪魔や
・連写モードがいい
顔の追尾優先AFでもここまでブレるんだという気づき
今までが静止した被写体だったからね…
・キモくない話し方
わからねえ…わからねえなりに最善を尽くしたつもりだがわからねえ…
しかし大変楽しかったです
撮らせてくださったレイヤーさん方、ありがとうございました!
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『うつくしくもはしたない嘘つき…
『うつくしくもはしたない嘘つき』
#MHA / #山田ひざし
碧、青、蒼。
ある色を喩える言葉はいくつかある。そのうちのどれがひざしの瞳の色を言い表すことができるんだろう。としげしげと眺めていた。ひざしは大人しく見られていてくれている。まつげまで金なんだなあなんて新たな発見もある。
「小さいころ瞳の色が青とか赤の人はフィルムをすかしたような視界なんだって思ってた」
「それ、小さい頃よく言われたなぁ」
「やっぱり?」
ひざしはファンレターの山の天辺から一つ取り上げて開封した。途端、指先から血が滴り落ちた。
「いて」
「剃刀? 危険物とかチェックしてるんじゃなかったの?」
「まあ人力だからな。見落としもあるさ」
かわいい柄付きの絆創膏を渡すと、素直に巻いている。手紙の内容は至って普通。好きですとかファンですとかだったらしい。
「好きならなんで傷つけようとするかねえ……」
「私は少しわかる」
「え?」
「好きな人の傷になりたい気持ちが」
「ふーん……そんなもんかねえ」
理解できない、といったふうに剃刀をティッシュに包んで不燃ごみに捨てたひざしは他のファンレターに手を伸ばした。結局のところ、日のあたる場所に身を置いていた彼には理解できないんだろう。星に手を伸ばして掴み取ろうとするような途方もない相手を好きになっている不安な気持ちや、厄介な女になりたくないという深々と降り積もる恐怖が。
話すつもりもないが、こうしてひだまりの中穏やかに好意に囲まれている彼を見ると冷水を浴びせてやりたくなることがある。好きだと思っていた相手から冷たくあしらわれ泣き縋る気持ちを身をもって理解させたくなることも、ある。
金髪を一房手にとって口付ける。その青だか碧だかが私に向けられて……不服そうに歪んだ。
「髪だけ?」
「気が済んだから」
「そう」
かまってほしいの、追ってきてといったらどんな顔をするのか教えてほしい。実際言ってみるのは怖いから、教えて。
お題はGarnet様
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#MHA / #山田ひざし
碧、青、蒼。
ある色を喩える言葉はいくつかある。そのうちのどれがひざしの瞳の色を言い表すことができるんだろう。としげしげと眺めていた。ひざしは大人しく見られていてくれている。まつげまで金なんだなあなんて新たな発見もある。
「小さいころ瞳の色が青とか赤の人はフィルムをすかしたような視界なんだって思ってた」
「それ、小さい頃よく言われたなぁ」
「やっぱり?」
ひざしはファンレターの山の天辺から一つ取り上げて開封した。途端、指先から血が滴り落ちた。
「いて」
「剃刀? 危険物とかチェックしてるんじゃなかったの?」
「まあ人力だからな。見落としもあるさ」
かわいい柄付きの絆創膏を渡すと、素直に巻いている。手紙の内容は至って普通。好きですとかファンですとかだったらしい。
「好きならなんで傷つけようとするかねえ……」
「私は少しわかる」
「え?」
「好きな人の傷になりたい気持ちが」
「ふーん……そんなもんかねえ」
理解できない、といったふうに剃刀をティッシュに包んで不燃ごみに捨てたひざしは他のファンレターに手を伸ばした。結局のところ、日のあたる場所に身を置いていた彼には理解できないんだろう。星に手を伸ばして掴み取ろうとするような途方もない相手を好きになっている不安な気持ちや、厄介な女になりたくないという深々と降り積もる恐怖が。
話すつもりもないが、こうしてひだまりの中穏やかに好意に囲まれている彼を見ると冷水を浴びせてやりたくなることがある。好きだと思っていた相手から冷たくあしらわれ泣き縋る気持ちを身をもって理解させたくなることも、ある。
金髪を一房手にとって口付ける。その青だか碧だかが私に向けられて……不服そうに歪んだ。
「髪だけ?」
「気が済んだから」
「そう」
かまってほしいの、追ってきてといったらどんな顔をするのか教えてほしい。実際言ってみるのは怖いから、教えて。
お題はGarnet様
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#呪術 / #狗巻棘
#呪術 / #狗巻棘
自分の言葉が相手を縛るとわかっていて、その言葉を私に向けたんだとわかったとき私はうれしく思った。
彼が自分をたくさん抑えて、口をつぐんだことがたくさんあっただろうと容易に想像できた。
だから、私ならその言葉を伝えていいだろうと、私なら地獄だって一緒についてきてくれるだろうと判断してその言葉をくれたことがとてもうれしかった。
生涯一度だけ、棘のほんとうの言葉を聞いた。
「ナマエ、ずっと一緒にいて」
死してもろともという言葉がある。
その言葉どおり、私はいまや呪霊として棘に取り憑いてる身だ。呪言師の言葉の磔刑はこのような形で叶えられるのかと感心したが、棘はそうじゃないらしい。私の死後のやすらぎを奪ってしまったと苦しんでいる。何度私が死んでも一緒にいれてうれしいよと言ってもだ。
「形がちょっと歪だけど、棘が死ぬまでそばで待ってるの。死んだら一緒に河を渡ろうね」
棘は少しだけほほえみ、うなづいた。私が死んでしまってから初めて見た笑みだった。
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自分の言葉が相手を縛るとわかっていて、その言葉を私に向けたんだとわかったとき私はうれしく思った。
彼が自分をたくさん抑えて、口をつぐんだことがたくさんあっただろうと容易に想像できた。
だから、私ならその言葉を伝えていいだろうと、私なら地獄だって一緒についてきてくれるだろうと判断してその言葉をくれたことがとてもうれしかった。
生涯一度だけ、棘のほんとうの言葉を聞いた。
「ナマエ、ずっと一緒にいて」
死してもろともという言葉がある。
その言葉どおり、私はいまや呪霊として棘に取り憑いてる身だ。呪言師の言葉の磔刑はこのような形で叶えられるのかと感心したが、棘はそうじゃないらしい。私の死後のやすらぎを奪ってしまったと苦しんでいる。何度私が死んでも一緒にいれてうれしいよと言ってもだ。
「形がちょっと歪だけど、棘が死ぬまでそばで待ってるの。死んだら一緒に河を渡ろうね」
棘は少しだけほほえみ、うなづいた。私が死んでしまってから初めて見た笑みだった。
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#MHA / #八百万百
#MHA / #八百万百
ヤオモモ←夢主
ももちゃんは、いつもわたしと一緒にいてくれるのだと思っていた。
大きなおうちは素敵な家具で満たされていて、お洋服もいつだってきれい。白い服は白いまま着ている。
ももちゃんは物知りだから、ばかなわたしが何を聞いても絵付きの辞典をめくってわかりやすく教えてくれた。ももちゃんがいたから中学校を卒業できたのだと思う。
ももちゃんはヒーローになるという。
あぶないよ、ももちゃんは博士になったらいいよというわたしに、ナマエさんが困った時に助けてあげたいんです。って言った。
そんなの社交辞令だと思うけと、少しだけ信じることができた。
ももちゃんのことを体育祭の時こっそり見ていた。すごい。頭も良く、かっこいい、強くて優しい。神は二物以上のものを与えたんだと思う。
他の世界のひとになっちゃったんだな、と思った。そもそも同じ世界のひとじゃなかったけど、かみさまみたいなももちゃんが気まぐれで下界におりてきていただけなんだと思う。そんなこと聞いたらやさしいももちゃんは悲しむと思う。
でも私がももちゃんのことをもっと悲しませることができるとしたら?
「ももちゃん、人を殺したことある?」
「まさか……ナマエさん?」
「そう、ナマエだよ。ずっとももちゃんより劣ってた、わたし」
「劣ってなんか……ッ!」
「やさしいね、ももちゃん。でもさよなら。わたしかあなた。どちらかが死ぬしかないの」
「……捕らえます」
「やってみなよ」
クスリの力で得たものはすぐになくなってしまった。ほぼ無個性に近い私が何かできるだなんて思ったのがばかだったのかもしれない。
「ナマエさん……罪を償って、またわたしと」
「……ももちゃんは、ばかだね」
「ばかでいいです。また一緒にお泊まり会しましょうね。眠るのを怖がったナマエさんか眠るまでお話しきかせて差し上げます」
「……まっててくれる?」
「もちろんです」
まっすぐな瞳は強くやさしいももちゃんのままだった。変わったのは私だけだったのかもしれない。
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ヤオモモ←夢主
ももちゃんは、いつもわたしと一緒にいてくれるのだと思っていた。
大きなおうちは素敵な家具で満たされていて、お洋服もいつだってきれい。白い服は白いまま着ている。
ももちゃんは物知りだから、ばかなわたしが何を聞いても絵付きの辞典をめくってわかりやすく教えてくれた。ももちゃんがいたから中学校を卒業できたのだと思う。
ももちゃんはヒーローになるという。
あぶないよ、ももちゃんは博士になったらいいよというわたしに、ナマエさんが困った時に助けてあげたいんです。って言った。
そんなの社交辞令だと思うけと、少しだけ信じることができた。
ももちゃんのことを体育祭の時こっそり見ていた。すごい。頭も良く、かっこいい、強くて優しい。神は二物以上のものを与えたんだと思う。
他の世界のひとになっちゃったんだな、と思った。そもそも同じ世界のひとじゃなかったけど、かみさまみたいなももちゃんが気まぐれで下界におりてきていただけなんだと思う。そんなこと聞いたらやさしいももちゃんは悲しむと思う。
でも私がももちゃんのことをもっと悲しませることができるとしたら?
「ももちゃん、人を殺したことある?」
「まさか……ナマエさん?」
「そう、ナマエだよ。ずっとももちゃんより劣ってた、わたし」
「劣ってなんか……ッ!」
「やさしいね、ももちゃん。でもさよなら。わたしかあなた。どちらかが死ぬしかないの」
「……捕らえます」
「やってみなよ」
クスリの力で得たものはすぐになくなってしまった。ほぼ無個性に近い私が何かできるだなんて思ったのがばかだったのかもしれない。
「ナマエさん……罪を償って、またわたしと」
「……ももちゃんは、ばかだね」
「ばかでいいです。また一緒にお泊まり会しましょうね。眠るのを怖がったナマエさんか眠るまでお話しきかせて差し上げます」
「……まっててくれる?」
「もちろんです」
まっすぐな瞳は強くやさしいももちゃんのままだった。変わったのは私だけだったのかもしれない。
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#MHA / #爆豪勝己
#MHA / #爆豪勝己
ギャアギャア口汚く喚いている時より、こうして静かに本を読んでいる時や、眠っている時の勝己の方が些かかわいく見える。私の目線に気づいたのか、こちらを見遣るとその形の良い額に収まった眉を顰めて舌打ちをする。
「何見てんだ」
「黙ってた方がかわいいなと思って」
「そうかよ」
再び沈黙。黙ってた方がいいってどういうことだ、なんて突っかかってくるのかと思ったけど、そこから会話が続くことはなかった。学生時代の勝己なら間違いなく怒鳴りとデコピンの一つや二つ免れないといったところだが、何もない。かわいいと思われたいとか口が裂けても勝己が言わないことをいじると痛い目に遭うのは私だからあまり触らないでおく。でも勝己もどこかで人間で、恋人に嫌われたくないとか、好きでいてほしいとかはあるらしく言葉の端々に浮いてくる時がある。触ると爆発するから言わないけど、デクくんなんかは恐れず触りに行ってキレられている。
「お昼何にしようか」
「ひき肉があるからミートソース作る。パスタ」
「はーい」
適材適所ということで、うちでは基本的に勝己がご飯を作っている。粗雑なようで多彩な彼は意外なところで特性を発揮していて、意外とこう、家事ができるのだ。
「黙ってた方がいいんだろ。喋らせんな」
「気にしてんの? 珍しい」
ついかわいくて触ってしまった。黙っていた方が可愛いなんて残酷なこと言ったかなと自省するけど、こんなかわいい面を見てしまったら収穫があったと言わざるを得ない。
「お前……喧嘩売ってんのか?」
「冗談。即死ですよ私なんて」
「あ? 俺に黙って死ぬのか? 死んだらコロス」
いつもの爆豪節が耳を滑っていく。この口の悪さはずっとこのままなんだろうか。だからと言ってしおらしいことばかり言われても調子が狂う。
俺より先に死なないでくれ、って言えばいいのに。
「死ぬとこ見たくないんだもんね」
「……」
意外と怖がりなんだ。付き合い始めてから意外な面がどんどん現れて対応が追いつかない。恋人の死ぬところなんて見たくないのはお互いそうだろうけど、勝己の方が死を日常的に眺めながらこの職についているから覚悟自体はしていても咄嗟の時に、なんて想像するのかな。
「死んだら一緒のお墓入ろうね」
「……バカお前、バカか」
大層あわててカバンのポケットを漁って。片膝なんてついちゃってどうしたのさ、と言おうとしたら度肝を抜かれてしまった。
控えめに主張するダイヤがはまった指輪。
「まっ???」
「マ? じゃねえ。お前がプロポーズまがいのこと言うからスケジュール狂っただろ……俺と結婚し……ください」
「勝己の敬語初めて聞いたかも」
「茶化すな」
「はい……よろしくお願いします」
「しょーがねえなあ! ったくよぉメシにすんぞ」
「声震えてら」
「……」
茶化すなとか舐めてんのかみたいな爆豪節は鳴りを潜めてただ捨て犬みたいに縋る目をした勝己がいた。
「な、なに」
「指輪、いらねーのかよ」
「いるいる。ください」
手を差し出すと、驚くほど優しくはめてくれた。なんだやればできるじゃん。と茶化したかったけどあまりにもうれしそうだったから黙っておくことにした。
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ギャアギャア口汚く喚いている時より、こうして静かに本を読んでいる時や、眠っている時の勝己の方が些かかわいく見える。私の目線に気づいたのか、こちらを見遣るとその形の良い額に収まった眉を顰めて舌打ちをする。
「何見てんだ」
「黙ってた方がかわいいなと思って」
「そうかよ」
再び沈黙。黙ってた方がいいってどういうことだ、なんて突っかかってくるのかと思ったけど、そこから会話が続くことはなかった。学生時代の勝己なら間違いなく怒鳴りとデコピンの一つや二つ免れないといったところだが、何もない。かわいいと思われたいとか口が裂けても勝己が言わないことをいじると痛い目に遭うのは私だからあまり触らないでおく。でも勝己もどこかで人間で、恋人に嫌われたくないとか、好きでいてほしいとかはあるらしく言葉の端々に浮いてくる時がある。触ると爆発するから言わないけど、デクくんなんかは恐れず触りに行ってキレられている。
「お昼何にしようか」
「ひき肉があるからミートソース作る。パスタ」
「はーい」
適材適所ということで、うちでは基本的に勝己がご飯を作っている。粗雑なようで多彩な彼は意外なところで特性を発揮していて、意外とこう、家事ができるのだ。
「黙ってた方がいいんだろ。喋らせんな」
「気にしてんの? 珍しい」
ついかわいくて触ってしまった。黙っていた方が可愛いなんて残酷なこと言ったかなと自省するけど、こんなかわいい面を見てしまったら収穫があったと言わざるを得ない。
「お前……喧嘩売ってんのか?」
「冗談。即死ですよ私なんて」
「あ? 俺に黙って死ぬのか? 死んだらコロス」
いつもの爆豪節が耳を滑っていく。この口の悪さはずっとこのままなんだろうか。だからと言ってしおらしいことばかり言われても調子が狂う。
俺より先に死なないでくれ、って言えばいいのに。
「死ぬとこ見たくないんだもんね」
「……」
意外と怖がりなんだ。付き合い始めてから意外な面がどんどん現れて対応が追いつかない。恋人の死ぬところなんて見たくないのはお互いそうだろうけど、勝己の方が死を日常的に眺めながらこの職についているから覚悟自体はしていても咄嗟の時に、なんて想像するのかな。
「死んだら一緒のお墓入ろうね」
「……バカお前、バカか」
大層あわててカバンのポケットを漁って。片膝なんてついちゃってどうしたのさ、と言おうとしたら度肝を抜かれてしまった。
控えめに主張するダイヤがはまった指輪。
「まっ???」
「マ? じゃねえ。お前がプロポーズまがいのこと言うからスケジュール狂っただろ……俺と結婚し……ください」
「勝己の敬語初めて聞いたかも」
「茶化すな」
「はい……よろしくお願いします」
「しょーがねえなあ! ったくよぉメシにすんぞ」
「声震えてら」
「……」
茶化すなとか舐めてんのかみたいな爆豪節は鳴りを潜めてただ捨て犬みたいに縋る目をした勝己がいた。
「な、なに」
「指輪、いらねーのかよ」
「いるいる。ください」
手を差し出すと、驚くほど優しくはめてくれた。なんだやればできるじゃん。と茶化したかったけどあまりにもうれしそうだったから黙っておくことにした。
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#MHA / #心操人使
#MHA / #心操人使
先生←生徒/男夢主←心操
学校とかいう密室で、優しくしてくれるオトナって妙に憧れちゃって気の早いマセたガキは告白なんかしてくることもあった。ガキどもは告白だけして振り続けてたらどっかいった。まあそれだけのことだ。だけど今年はなかなか難しそうな感じがする。
バレンタインというと浮き足立って、クラスでチョコの交換とかなんとか起きる。それを教員は建前上、まあほどほどにななんて諌める。それが定石だった。
可愛らしくラッピングされたチョコ、明らかに本命という雰囲気を醸し出すそれを手渡す勇気。それは認めよう。だけどそれ以上は無碍に断る以外できない。オトナだからね。
「ナマエ先生、これ」
おずおずと差し出した包みを前に顔を引き攣らせる以外にできなかった。心操おまえ、そういうことするタイプじゃなかっただろと茶化したい気持ちでいっぱいだけどわたしからも見える心操のクラスメイトたちが応援している都合上、茶化すという選択肢は消えた。ならしっかりお断りするしかなさそうだ。
「ド直球で悪いけど、ガキは恋愛対象外」
「……子供じゃなかったらいいんですか」
「ん……?」
わざわざ子供と言い換えるお育ちの良さに涙が出そうだ。心操があまりにも真摯に訴えかけてくるものだから一瞬揺らぎかけてしまったけど、ここで完膚なきまでにフッておいて次に行ってくださらないと職務に影響するので手を緩めない。
「いやだから、年下が無理」
「……っ」
思いを寄せている人から真心を審査されるならまだしも個人の属性を以って無理、だなんて言葉をかけられるなんて最悪だろ。もういいだろ帰ってくれと思っていたら心操のクラスメイトたちがざわざわしてる。ナマエ先生キャラ違くね、なんて。
「はいこの話終わり〜。クラスメイトたち連れて帰ってね」
「終わりじゃないですから……」
「は?」
「終わりじゃないです。あとチョコちゃんと食ってくださいね」
「まあ食べ物に罪はないからな……」
「諦めませんから」
「いや諦めろ。俺はショタコンじゃない」
「諦めませんから」
「話聞け」
心操がこんなに強情だとは思わなかった。思わずため息が出てしまった。生徒に手を出したなんて噂、心操が卒業しても残るから勘弁してくれ。
クラスメイトたちに連れられてようやく帰っていった。ドッと疲れてしまい、ベッドに寝転びたくなったが、上司にあたるリカバリーガールの前じゃそんなことできない。
「厄介なのに引っかかったかも……」
「珍しいね。心操くんがあんなふうに」
「リカちゃん先生もそうおもいますよね?! 心操、素直な部類に入ると思ってたのに」
「まあでも……あのくらいの子供でも譲れないところがあるのかもねえ……」
「そんな他人事みたいに……めちゃくちゃ困ってるんですよ、俺」
「そうかもしれないけど、ナマエ先生ももっと上手く振れないもんかね」
「ああいう手合いはしっかりフラないと後腐れになるから」
「そうかい」
あとは相澤先生に相談したかったけどめちゃくちゃ不穏そうな顔されそうなのが容易に想像つくからやめた。今のわたしにその不審そうな対応を受け止めるだけの余裕がない。
所々ヨレてる包装紙。まさかこれ自分でやったんかと思いつつバリバリと包装紙を剥ぐとめちゃくちゃ愛情こもった手作りで、重い……と思ってしまった。そりゃあ心操には優しくしたよ。だって俺先生だもん。それ以上でもそれ以下でもない。
「あまい」
ほろほろと口の中で溶けるチョコの甘みに耐えかねてコーヒーで流し込んだ。いまごろクラスメイトたちに慰められてんのかな、とか、俺だってもっと上手く振りたいよと思いつつ、すっかりぬるくなったコーヒーを淹れ直すことにした。
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先生←生徒/男夢主←心操
学校とかいう密室で、優しくしてくれるオトナって妙に憧れちゃって気の早いマセたガキは告白なんかしてくることもあった。ガキどもは告白だけして振り続けてたらどっかいった。まあそれだけのことだ。だけど今年はなかなか難しそうな感じがする。
バレンタインというと浮き足立って、クラスでチョコの交換とかなんとか起きる。それを教員は建前上、まあほどほどにななんて諌める。それが定石だった。
可愛らしくラッピングされたチョコ、明らかに本命という雰囲気を醸し出すそれを手渡す勇気。それは認めよう。だけどそれ以上は無碍に断る以外できない。オトナだからね。
「ナマエ先生、これ」
おずおずと差し出した包みを前に顔を引き攣らせる以外にできなかった。心操おまえ、そういうことするタイプじゃなかっただろと茶化したい気持ちでいっぱいだけどわたしからも見える心操のクラスメイトたちが応援している都合上、茶化すという選択肢は消えた。ならしっかりお断りするしかなさそうだ。
「ド直球で悪いけど、ガキは恋愛対象外」
「……子供じゃなかったらいいんですか」
「ん……?」
わざわざ子供と言い換えるお育ちの良さに涙が出そうだ。心操があまりにも真摯に訴えかけてくるものだから一瞬揺らぎかけてしまったけど、ここで完膚なきまでにフッておいて次に行ってくださらないと職務に影響するので手を緩めない。
「いやだから、年下が無理」
「……っ」
思いを寄せている人から真心を審査されるならまだしも個人の属性を以って無理、だなんて言葉をかけられるなんて最悪だろ。もういいだろ帰ってくれと思っていたら心操のクラスメイトたちがざわざわしてる。ナマエ先生キャラ違くね、なんて。
「はいこの話終わり〜。クラスメイトたち連れて帰ってね」
「終わりじゃないですから……」
「は?」
「終わりじゃないです。あとチョコちゃんと食ってくださいね」
「まあ食べ物に罪はないからな……」
「諦めませんから」
「いや諦めろ。俺はショタコンじゃない」
「諦めませんから」
「話聞け」
心操がこんなに強情だとは思わなかった。思わずため息が出てしまった。生徒に手を出したなんて噂、心操が卒業しても残るから勘弁してくれ。
クラスメイトたちに連れられてようやく帰っていった。ドッと疲れてしまい、ベッドに寝転びたくなったが、上司にあたるリカバリーガールの前じゃそんなことできない。
「厄介なのに引っかかったかも……」
「珍しいね。心操くんがあんなふうに」
「リカちゃん先生もそうおもいますよね?! 心操、素直な部類に入ると思ってたのに」
「まあでも……あのくらいの子供でも譲れないところがあるのかもねえ……」
「そんな他人事みたいに……めちゃくちゃ困ってるんですよ、俺」
「そうかもしれないけど、ナマエ先生ももっと上手く振れないもんかね」
「ああいう手合いはしっかりフラないと後腐れになるから」
「そうかい」
あとは相澤先生に相談したかったけどめちゃくちゃ不穏そうな顔されそうなのが容易に想像つくからやめた。今のわたしにその不審そうな対応を受け止めるだけの余裕がない。
所々ヨレてる包装紙。まさかこれ自分でやったんかと思いつつバリバリと包装紙を剥ぐとめちゃくちゃ愛情こもった手作りで、重い……と思ってしまった。そりゃあ心操には優しくしたよ。だって俺先生だもん。それ以上でもそれ以下でもない。
「あまい」
ほろほろと口の中で溶けるチョコの甘みに耐えかねてコーヒーで流し込んだ。いまごろクラスメイトたちに慰められてんのかな、とか、俺だってもっと上手く振りたいよと思いつつ、すっかりぬるくなったコーヒーを淹れ直すことにした。
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