太陽のようなきみ #夢小説 #男夢主 #赤木晴子

 桜木みたいな恥も外聞もなく好きだって言えるような奴の方が人生上手くいきそうだよな。
 
 そんな僻みっぽいやつだから、俺は晴子ちゃんに「ごめんね」されちゃったのかもしれない。涙も出てこない。見る目がないやつだな、と貶すこともできない。まだ好きだから。
 桜木はバスケットボールプレイヤーが好きだという晴子ちゃんの言葉通り、バスケを始めたらしい。
 そんな、そんなこと言うなら、俺だって小学校からずっとバスケやってるんだけどな。……プライドを晴子ちゃんのために投げ捨てて、愛を乞うこともできない俺だからダメだったのかも。結局俺は晴子ちゃんのことが好きだと感じていながらも自分が一番可愛くて大事なんだ。そういう、ずるさみたいなのが晴子ちゃんには見えていたのかもしれない。桜木にとっては、何百人ふられた後のたまたま晴子ちゃんなのかもしれないけど、俺はそうじゃない。俺の方がずっと前から好きだった。
 好き、が早いもの勝ちじゃないっていうのは俺が一番よくわかってるのにな。真夏の体育館で桜木のこと応援してる晴子ちゃんを横目に俺はバイトへ向かった。俺はたまたま、姉ちゃんがバスケ部のマネージャーしてるから差し入れって形にすれば晴子ちゃんの視界に入れるんだ。そうじゃなきゃ誰がバスケ部なんかに差し入れなんかするかよ。
 日差しが俺を責めるように差し込む。俺は悪くない。ただ、人を好きになっただけなんだ。