だいすき #ストリートファイター6 #夢小説 #春麗

 リーフェンみたいに才能の芽が出ていたりパソコンができるわけでもなく、最近春麗さんに弟子入りした人みたいにひたむきに努力できるわけでもなく。ただ春麗さんの教室に足繁く通うだけの存在。それが私。
 でもそれに特段不満があるわけではない。私には私のポジションが与えられ、私の視点から春麗さんに関わることができる。
「おはようナマエさん。今日も元気かしら」
「ええ、おかげさまで。肩こりや腰痛が軽くなったんですよ」
「まぁ、それは良かった」
 そう言って微笑む春麗さんの、自分の生徒が良い方向に向かったことをうれしく思うためのパーツである喜びだってあっていいのだと私は思っている。
 
 
 思っていた。
 
 
 いつからだろう。
 春麗さんが穏やかに視線を送るもの全てが憎らしく、そんなことできるはずがない、こんなことを表に出してしまったら敬遠されるに違いないのに、それでも、どうしてもつらい。
 つらくても、私はこの”春麗さんの教室に通う生徒”の役から降りたくない。私の役はもうすぐ破滅とともになくなると分かっていても、まだ私に春麗さんが話しかけてくれたり、昔の話をしてくださったりする間柄で居させてくれるのなら、ここに居たい。
「ナマエさんどうかした? 眉間にシワが」
「あ、ああ。ちょっと歯が痛くて」
「ダメよ。歯が痛いのは放っておいてはダメ。すぐに悪くなってしまうわ」
「はぁい」
 好きな人が私を気にかけてくれる。こんな幸せがあるか? 些細であるはずもない。私は、欠けることなく幸せに満ちている。畳む