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みやこ 成人/神奈川への望郷の念が強い

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タグ「女夢主」を含む投稿7件]

水底 #呪術廻戦 #禪院真希 #夢小説 #女夢主

水底 #呪術廻戦 #禪院真希 #夢小説 #女夢主

 真希ねえさまが出て行ってしまうと聞いてから、私の心は休まりませんでした。
 禪院の男たちから我が身を守る……貞操を守り、同意なく孕まないでいるには、禪院の女は弱すぎました。そんな弱い禪院の女の中でも真希ねえさまは私の希望でした。
 
 もしかしたら、私も頑張れば真希ねえさまのようにできるかもしれない、と。
 
 でも、真希ねえさまが出ていく日が近づくにつれてそれは違うと実感するようになりました。
 
 真希ねえさまは、どんなにこの世を恨んでも、絶望に足をすくわれそうになっても歩みを止めないのです。どんなにいじめられても、悪態をついて立ち上がるのです。私のように、されたことにばかり目を向けていつまでもそこで嘆いてるような女とは違ったのです。
 私は禪院と他の呪術の家系との婚姻関係を結んで関係を確認する駒以外の役割はできないでしょう。
 もう抗ったり、新しい世界に希望を持って駆け出す気力は無いのです。
 
 真希ねえさまのように、叩かれても叩き返したり、次叩かれないようにするために頭を回すこともできず、ただ怯えて身体を縮めることしかできないのです。これは努力がどうとかでは無いと思っています。私が弱いから、と卑屈になる気もありません。
 真希ねえさまのことは羨ましいとは思いますが、まだ、この禪院の女という生を続けるつもりなのだと、驚きと侮蔑の念があります。もうやめればいいのに、外に行ってもつらいだけだと思うのですが……
 
「おお、[FN:ナマエ]。見送りに来てくれたのか」
「ねえさま」
「こんな夜逃げみたいな出発になったけど、まあなんとかやるから」
「ええ、その、私……ねえさまのこと」
「うん、応援してくれんだよな」
「……ええ。ねえさまがのゆく先が……幸せでありますように」
「はは、そんなことできると思ってないだろ」
「もしかしたら、外の世界はここより良いところかもしれませんし」
「どうかな。わからない」
「けど、行くんですか」
「ああ」
 私の記憶の中のねえさまは、笑っていました。
 
 
 それから、長い時が流れました。
 禪院の男の雑巾のように扱われ、そう生きることに何も思わなくなった、この世の何にも思うところがなくなった頃、真希ねえさまは帰ってきました。
 笑顔などなく、ただ禪院の男たちを鏖殺していきました。私はそれを見て、真希ねえさまは外の世界で本当に幸せだったのか聞いてみたくなりました。
 
「ねえさま」
「[FN:ナマエ]か」
「そうです。真希ねえさま、外の世界は、楽しかったですか?」
「……そうだなぁ、うーん……結果的にそんなにハッピーってことではなかったけど、過程は、良かった」
「そうですか。よかったですね」
「なんかうれしくなさそうだな。[FN:ナマエ]、私に不幸になってほしかったか?」
「……そうでないと、あの時真希ねえさまに私も連れてってと言えなかった私のことが、許せなくなりますから」
「そうか。まぁ、お疲れ。[FN:ナマエ]、この死体の処理、頼めるか?」
「わかりました。全部混ぜて同じ穴に適当に埋葬します」
「いいね。じゃあ、また」
「真希ねえさま、元気で」
「[FN:ナマエ]もな」
 私の最後の記憶の中のねえさまは、頬を歪めるようなつまらない笑い方をしていました。畳む

うつくしく散る姿こそ #ヒロアカ #夢小説 #女夢主 #スターアンドストライプ

うつくしく散る姿こそ #ヒロアカ #夢小説 #女夢主 #スターアンドストライプ

「ちょ、ちょっと待ってよキャシー。シガラギとがいうやつが日本で暴れてるのは知ってるわ。大変なんだってね。でもそれをなんでアメリカの国防の要であるあなたが助けないとならないの」
 学生時代からの恋人であった私とキャシー。それが日本とかいう小さな島国で起きているゴタゴタのために亀裂が走っていることに苛立ちを隠せなかった。
 そんな私をキャシーは悲しい目をして見ていた。そんな目で私を見ないでほしい。あなたはひだまりの中で静かに笑っているのが一番似合うのに。
ナマエ、あなたがそんなことをいう人だとは思わなかった」
「で、でもキャシー、あなたの師匠とかいう人がどうにかしてくれるよきっと。あなたが出る幕じゃない」
「師匠は力を失っている。私しかいないんだ。怖い目にあっている人を、私は放っておけない」
「日本にだってヒーローはいるよ。けど、キャシーあなたの代わりはどこにもいないんだから、ねえお願いやめて」
ナマエ、コスチュームを隠したでしょう。あれでなくてもいいけど、できればあれがいいんだ」
「……キャシー。あなたの個性がもっと凡百の物だったらよかったのに」
「そうだったら、あの時ナマエを助けることもなかったし、私たちが恋仲になることもなかったよ、きっと」
「そんなことない。私はあなたの個性を愛したんじゃなくて、あなたそのものを愛したのに」
「私と個性は切り離せないよ…… ナマエ、そろそろ行くね」
「バカッ……ちゃんと戻ってこなかったら許さないんだからねッ……」
「泣かないで、ナマエ……」
 やさしくあたたかな私にキスをくれたキャシーは、髪の毛一本、骨の一欠片も残さず死んでしまった。シガラギは倒せなかったが、弱体化はできたという。
 正しさを執行するという脳味噌がアドレナリンでひたひたになっている正義中毒のバカが一人いなくなっただけなのに、私は寂しくて仕方ない。彼女が残した歯ブラシ、殉職で特進してもらった勲章、そしてお揃いで買ったネックレスだとかが私の中に楔のように穿ち続ける。
 彼女を運んだ戦闘機乗りの方々に、彼女が散ったという海へ連れていってもらった。暗澹として冷たい海。その海水を瓶に汲んで、墓にかけてみたら少しはあの空っぽの墓に信憑性が出るかなと思っていたけど、何にもなかった。どんなにいとしい人であれ、死んでしまったら失ってしまったらそれまでなのだと私は身を以て知った。
「さよなら」
 私は誰にも聞こえないような小さな声で別れを告げた。私の中のケジメをつけるために、キャシーがもういなくなってしまったんだと自分の中に刻むように、静かに。日本の人々は、ヒーローぐらいしか彼女が自国のために死んでいったと知る人はいないだろう。それがどうにも悔しかったけど、恩着せがましく宣うのはきっとキャシーは嫌がるだろうから黙って帰ることにした。まだ瓦礫の山や、愛する人の死など傷だらけの人たちばかりだったけど、諦めようとしてはいなかった。
 ひだまりの中、赤ん坊がお父さんに抱かれて笑っている。炊き出しの列は途切れないけど、絶望のあまり道端で座り込む人に食べ物を渡す人がいる。彼女が守った幸せたちが、この小さな島国で芽吹き始めているのを見届けて、私は日本を去った。
 
2022/10/15

傷つく君は人間だったね #ヒロアカ #夢小説 #女夢主 #スターアンドストライプ

傷つく君は人間だったね #ヒロアカ #夢小説 #女夢主 #スターアンドストライプ

「それはあなたが女の子だからだよ、キャシー」
「…… ナマエ、もうそれを言うのはやめて」
この言葉がいちばんキャシーを傷つけることがわかっていて、私は言葉を重ねる。それでもキャシーは私から離れていかないと驕り昂り、私は言葉を連ねる。
「でも、本当のことだよ。次は死んじゃうかもしれない。あなたが憧れている師がいるのはわかるけど、その人は男の人で、わたしたちとは違うんだよ」
「何も違わない。性別のせいにしてなにもかもあきらめているのは名前の方だよ」
「昔々、オリンピックっていうスポーツのお祭りがあったというじゃない。あれはなぜ男女で別れていたかわかる?男と女には埋めがたい差があるからだよ」
「…… ナマエはそうやって諦める理由を捏ね回していればいいさ」
呆れたように吐き捨てて、私との会話を終えるキャシー。そんなキャシーが次の日には髪の毛一本残さず死んでしまうなんて誰が想像するだろう。
日本のヴィランは日本のヒーローに任せておけばいいし、日本が産んだ怪物をアメリカが助けてやる義理はないと何度も言ったはずなのに、キャシーは師のために、日本のために、世界のために美しく散っていった。
日本にはカミカゼという言葉があるらしい。国難に神が風を吹かせて救ってくださるらしい。ならばなぜキャシーの死に際吹いてくださらなかった。
放っておいてもカミカゼだなんだと言いながら滅んでいく民族のことなんか知ったことじゃない。
でも、こんな理屈キャシーは一笑に付して戦闘機に立ち、困っている人がいるから助けに行くだなんて自己犠牲のお笑い草にみずからなりにいく。
そんなところが好きなんだけど、死んでしまったら何にもならないじゃない。軽すぎる棺にキャシーは宿っただろうか。魂くらいは、帰ってきてほしいものだけど。


お題は天文学様より
2022/7/13

俺だけが目覚めない夢 #ヒロアカ #夢小説 #女夢主 #心操人使

俺だけが目覚めない夢 #ヒロアカ #夢小説 #女夢主 #心操人使

 あの時、個性を使ってでも行くなと言ってしまえてたらよかったのか。何度自問しても答えは出ない。答えを持つ人は桐の棺に収まって目を閉じている。俺が人のために個性を使いたいというのだから使うべきじゃないというだろうか、それとも。いつもはそんなこと自分で答えを出すのに、この線香のにおいと念仏のようなものを聞き流していると正常な判断が失われてしまうような気がする。
 死と隣り合わせだなんて座学でも実践でも学んだから理解したつもりでいた。けれど学びはどこまでも学びで、背中に這い寄る冷たさに似た焦燥が脳に満ちてやっと実感が湧いてきた。ああ、ナマエ、死んじゃったのかと。
 顔だけ四角い窓から出している理由を誰も聞かない。見せられないような状態になってしまったのだろうと容易に想像がつくのだ。クラスメイトの誰もが縁者を亡くしている。そのうちの誰かがひどい死に方をしたのなら想像がつくのだろう。
 クラスメイトのだれもが帰ってしまって、親族しかいない式場で通夜振る舞いに呼ばれた。あなたはナマエちゃんの何だったのと当然聞かれた。お付き合いさせていただいていましたというと口々に慰めの言葉をかけられた。親族の方だってつらいだろうに、なぜ半年と少し付き合ったくらいの俺にやさしくできるんだろう。

 半年と少し。
 自分で数えてあまりの短さに呆気に取られてしまう。そんなに短かっただろうか。あんなにまぶしくて、夢みたいな日々がそんなに、短かっただろうか。
 俺だけが夢から覚めてここにいるみたいだ。
 
 
 ヴィランとの戦争が本格化して壊されやすい墓をたてる風習が下火となって、代わりに開発されたのが遺骨の炭素をダイヤモンドにする技術だった。
 遺骨ぐらいの炭素じゃそんなに大きな粒ができるわけではないので、ナマエのご両親がご厚意で下さった石はほんの爪先程度だった。それでもうれしかった。死んでしまってもこの燕脂色をしたベルベットの箱を見るだけでも思い出せる。仕事の都合上身につけることはできないことが残念だけど、時には一人の時間も必要ってことで。
 寮生活の時はナマエだったダイヤにいってきますとただいまを言っていたら同室のやつに怖がられてしまったので、一人暮らしになった今、堂々と言える。
「いってきます。ナマエ」
 返事はない。
 さやさやと揺れるカーテンの向こうに、電車を待つ駅のホームに。そんなところにいるはずもないのに探してしまう、という歌があったが、無意識のうちに探してしまう。
 そんなことをしていると知ったらナマエは笑うだろうけど、置いていかれるということはそういうことなんだとやり返すつもりだ。俺がもっと爺さんになって、俺だとわからないくらいにヨボヨボになってから。


2022/7/28

うつくしくない愛 #ヒロアカ #夢小説 #女夢主 #治崎廻

うつくしくない愛 #ヒロアカ #夢小説 #女夢主 #治崎廻


 治崎は、潔癖症だったのだと思う。
 思う、と断定できないのは本人の口から聞いたわけではないからだ。本人は人が無許可で消毒もせず触れ合う方がおかしいと言っていた。それはそれで本人の世界の中では正しいことなので言及しないでいたが、私にも消毒を強要し、私に触れようもんなら私の体を隅からすみまで消毒しようとし、それが終わってやっと触れようというものだから辟易した。デリケートゾーンを消毒液で浸される苦しみは言葉を失ってしまうが、当の本人は慣れたとかなんとかで苦に思ってないのでやめてもらえない。クソみたいなやつだったけど、噂には、腕もなく頭も多少おかしくなっていると聞いてバチが当たったんだとうれしくなった。
 名前は知らないけど、治崎の悪行に個性を利用されてしまった女の子がいたらしい。その子を手懐けるために私を利用しようと思ったこともあったらしく、母親の真似事をしろと命じられたこともあった。当然、拒否したが背中に拳銃のつめたさを感じてしまうとどうにもできなかった。そんなことは言い訳だと強くただしい人は私を非難するかもしれない。命が脅かされてなくて、優しくて、強い力を持った人。わたしはそんな人が羨ましくてたまらなかった。靴を舐め、媚びへつらうような生き方しかできないのだ。弱く生まれ弱く育つと。
 その女の子は私に多少懐いて、本当の両親のことなどを話してくれたが、それっきりだった。
 何の役にも立たないと叱責しながらも、それでも治崎は私に優しく触れた。それだけのことなのに忘れたくとも忘れられない。優しくて頼れる夫に恵まれて、何不自由なく生活をしているのに路地裏で狂ったように笑う治崎を見つけて足早に駆け寄った。
「治崎」
「あ? ナマエかあ。お前がオヤジを隠してるのか?」
「……なわけないでしょ」
「なら用はない。消えろ」
 けたけた笑う治崎の頭を思い切り蹴飛ばして逃げた。怒声が背中に刺さり、あのころの習性で身を屈めたくなるが、持っていたペットボトルを投げ、ぽこんという間抜けな音を立てて当たるのを見た。
 さよなら治崎、サイテーな男。願わくばさっさと死ね。

 2022/7/10

ずっと一緒 #呪術廻戦 #夢小説 #女夢主 #五条悟

ずっと一緒 #呪術廻戦 #夢小説 #女夢主 #五条悟

「お願いがあるんだけど」
「ナマエがお願いするなんて珍しいね」
「悟が死んだら、眼球ちょうだい」
「そんなもんどうすんの」
「コ……コレクション」
「悪趣味〜」


「とか言って、ナマエが先に死んじゃった」
うだるような夏の日差しの中、独り言は蝉の鳴き声に溶けて消えた。ナマエの墓はまだ上にある。場所を覚えてしまった。
「ナマエ、きたよ〜」
そこには五条家の墓と書いてある。
身寄りのないナマエの遺骨を引き取って、俺が入る予定の墓に入れた。これで死んでもずっと一緒だよ。

2022/3/23

同じ海を見ていた #ワールドトリガー #夢小説 #女夢主 #木崎レイジ

同じ海を見ていた #ワールドトリガー #夢小説 #女夢主 #木崎レイジ

「ねえ、私まだ指ある?指がないと……指輪がつけられない、せっかくレイジくんがくれたのに……」
それが彼女の両親が涙ながらに伝えてくれた彼女の遺言となった言葉だった。

日常に戦いがあり、負傷があったはずなのにどこかで自分の周りの人のこととして考えることができていなかったのだな、と妙に冷静に考えている自分がいた。葬式を終えたあとは塩をまかなかった。ついてきたければ、ついてきてほしかった。
それから数日しても霊的な気配はなかったので彼女は安らかに眠ったんだろう。作ってもどうせ壊されてしまうので、ボーダーの侵攻が始まってすぐくらいから石造りの墓を作る風習は薄れ、代わりにいつでも身につけていられて、いつでも持って逃げれるという点から遺骨の炭素をダイヤモンドに変える技術が発達し、短期間で供給できるようになった。それほど沢山の人が亡くなっているということだ。技術の発達には必ず要因がある。今回の場合は死だっただけで。
彼女の両親のご好意で、ダイアモンドと一欠片いただいた。あたたかく穏やかだった彼女は冷たい石ころになってしまった。意外と涙は出ない。

突然らしくないネックレスなんて付け出した俺に何も言う人はいない。皆も知ってるんだろうか、彼女の死を。聞いてまわることでもないので黙っているが本当は誰かに話したかった。彼女の話を聞いて欲しかった。それほどに俺は今弱っているのかもしれない。大切な人を喪った、痛かっただろう、怖かっただろう。守ってやれたら、よかったのにな。

2021/1/25