「最近のムカつくこと」
「なに? 加奈子ムカつくことあったのォ??!!!」
「声が大きいんだよ……髪下ろしてるひざしとこの前歩いてた時背後からナンパされたのがひざしだった時」
「……まあ俺は後ろからみたら金髪美女だからな」
「美……?」
「すみませんただの金髪です」
「わかればいい」
ただの金髪だなんて思ったことないよ、という言葉はしまっておくことにした。私見だけど、ひざしはしょんぼりしている方がかわいいから。しょんぼりしている方が人間らしいというか。
ラジオをはじめとしたメディアに露出するひざしとも、先生という立場のひざしとも違う、私の彼氏という立場のひざしとしんなりしているひざしが近いというか。本来そこまで大声で話す人ではないということを付き合ってから知った。テンションは高いけど、うるさくはない。ちょっとした優越感なのだ。この静かに会話できるひざしという一面を知っていることが。
「なァに? 加奈子、ニヤニヤして」
「いやさ、ひざしの顔は好きだなって」
「顔 "は"?」
「はいはい。顔も」
「わかればいいよォ」
ほんとは両手じゃ足りないくらい好きなところあるんだけど、悔しいからいまは言わないでおく。

お題はGarnet様

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