じき飽きるだろうとダラダラ付き合っていたら、はや四年も経ってしまった。ロディはたしか今年二十歳だったはずだ。
「指輪、返してください」
「はい」
「なんかこう……ためらいみたいなのないんですか?!」
「……いやもう飽きたんだろうなって」

「なんでそうなんですか……はい、今度はこっち。母さんのは返しましょう」
「ふーん、ちょっとうれしい」
「もう子供なんて言わせないからな」
「何言ってんだ、お前は私から見たら一生子供だよ」
「少し年上だからって大人ぶって……」
「とか言ってもピノちゃんは素直だからな……」
 端的にいうとピノちゃん、盛っている。ピノちゃんを握り潰さんばかりに回収していくものだから、ピノちゃんが心配になりを握った指を一本ずつ剥がす。
「待っててね、私の可愛い小鳥ちゃん」
「煽ってるんですか?」
「は?勘違いするなよガキ」
「このクソ女……」
「口が悪いでしゅね。ピノちゃんを見習え。素直で可愛いぞ」
「素直になったらまたそれでからかうくせに」
「否定できないな」

「……なんでこんな女……好きなんだろ……」
「かわいそう。へんな女に捕まって」
「お前がいうな。お前が」
 可愛い私のほっぺを摘むなんて許されないことをしたので尻を蹴飛ばした。なんで好きなのかわからない。恋愛ってそんなもんじゃないだろうか。適当で、軽くて、行き当たりばったりで、理由がない。辛い時優しくされた人に惚れ込んで、ロディは我ながらちょろいと思ってそうだな。私も思っているけど。

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